第19章

彼女の言葉で山本双葉は少し落ち着きを取り戻した。

長年の友人として、高橋桜のことをよく理解していた。彼女がいつも分別のある人だということを知っていたので、こういう結果になることは予想できていたはずだった。

それでもやはり、友人のことが本当に心配で仕方なかった。

唇を噛みながら尋ねた。

「でも...本当にこれでいいの?」

高橋桜はさらりと答えた。

「納得できなくても、どうにかなるわけ?」

確かに彼女は納得していなかった。何か変えられないかと試してもみた。

しかし現実は彼女に平手打ちを食らわせ、無駄な望みを抱くなと告げたのだ。

「明日、時間ある?病院に付き合ってくれない?」高橋...

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