第22章

高橋さくらはほとんど食欲がなかったが、山本双葉の促しで何とか牛乳を飲み干し、サンドイッチを数口食べた。

山本双葉は彼女がこれ以上食べられないのを見て、それ以上強要しなかった。

彼女は物を片付けた後、戻って座った。

「どう?少しはましになった?」

「うん」

山本双葉は軽く咳払いをして、探りを入れた。

「じゃあ、今日は帰ろうか?」

高橋さくらは黙っていた。

山本双葉は彼女の手を握り、断固とした口調で言った。

「行こう」

「うん……」

高橋さくらは今、霧の中にいるようで、確かに誰かに背中を押してもらう必要があった。どんな決断でも。

彼女は立ち上がり、山本双葉と一緒に病院を後...

ログインして続きを読む