第36章

佐藤おばあさんは一瞬固まり、それから尋ねた。

「早めに手術するの?」

「うん」

その後、佐藤おばあさんは黙り込んでしまった。

傍らで見ていた高橋桜は少し考えてから、声を掛けた。

「おばあちゃん、手術って聞くと怖く感じるけど、実際はそんなに怖くないよ。眠るだけで、目が覚めたら病気が良くなってるんだから」

彼女がそう言う時の声色は明るく、少し茶目っ気さえ含んでいた。

佐藤和也も思わず彼女に視線を向けた。

彼女は最近、こんな生き生きとした様子を見せることがずっとなかったのだ。

おそらく彼女の感情が佐藤おばあさんに伝わったのだろう、佐藤おばあさんも再び笑顔を見せた。

「いつも私を...

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