第41章

高橋桜は黙っていた。

向かい側に座る川崎美咲は胸が高鳴っていたが、表面上は平静を装っていた。

自分の言葉が高橋桜を脅かせるかどうか、彼女にも分からなかった。

美咲は高橋桜についてそれほど詳しくなかったが、唯一知っていたのは、高橋桜のプライドがとても高いということだった。

だから川崎美咲はそこを突くしかなかった。賭けるように。

なかなか返事がないのを見て、美咲はテーブルの下で手に汗をかきながら、無理に笑みを浮かべた。

「どう?承知してくれないの?」

その言葉に、高橋桜は涼しげな目で彼女を一瞥した。

「随分緊張してるみたいね?」

「緊張なんかしてないわ、ただ…」

高橋桜にそう...

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