第45章

「暇なの?それとも仕事が配達に変わったの?別の…」

言葉が急に途切れた。佐藤和也は助手が口にした重要なキーワードに気づいた:高橋秘書。

「今、何て言った?高橋秘書?」

助手は呆然と頷いた。

「はい、配達の人がそう言っていました」

その瞬間、佐藤和也のスマホにメッセージが入った。高橋桜からだった。

「おばあちゃんから、まだ食事していないと聞いたから、食べ物を注文しておいたの。レストランから今届いたって連絡があったけど、受け取った?」

佐藤和也は先ほどまでの怒りが、このメッセージを見た途端に和らいだ。それでも強情に小声で呟いた。

「さんざん避けておいて、何を猫をかぶってるんだ?」...

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