第8章
吹雪は、私たちにとって完璧な隠れ蓑だった。
熱を出している甥を分厚い布で背中にしっかりと縛りつける。か弱い心臓の鼓動が、背骨に伝わってきた。アナクが伝統的なイヌイト式弓を渡してくる。その黒曜石の矢じりが、淡い雪明りを反射してブラックアイスのように黒く光った。
「このツンドラでは、我々が狩人だ。奴らはただの肉にすぎん」アナクの声は、狼の唸り声のように低く響いた。
背中の小さな命に触れ、私は温度のない笑みを浮かべた。「昔、あなたの民はこうやって侵略者を始末していたの?」
「血には血を。それが自然の掟だ」彼は遠くに軍隊が残したブーツの跡を指差した。「十二人。本当の恐怖とは何か、教えて...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章


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