第9章

凍てついた荒野に夕闇が迫る頃、私は展望台の外の雪の斜面に独り佇み、腕の中で死にかけている赤ん坊を抱きしめていた。呼吸はかろうじて続いているものの、小さな顔は酸素欠乏で吐き気を催すような青紫色に変色していた。

「しっかりして、赤ちゃん……」震える指で氷のように冷たい頬を撫でると、心が張り裂けそうになった。

前方にそびえる展望台は、まるで地獄から現れた亡霊の砦のように人工の光で煌々と輝いている。軍隊は完全に撤退したものと思っていたが、この死のような静寂がそれが間違いだと告げていた――これは、クソみたいな罠だ。

アナクの血が、まだ私の服の上で温かかった。

「アナク、姉さん……みんなの...

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