第6章

健太の顔に浮かんでいた困惑が衝撃へと変わるのを、私は目の当たりにした。浩史は目を丸くし、貴志は「やはりな」と言わんばかりの表情を浮かべている。

「あの、人違いではありませんか?」私は必死に事態を収拾しようと声を張り上げた。「私の名前は白石礼音です。その……私は……」

「真希!」誠人は興奮気味に私の言葉を遮った。「僕が君の名前を忘れるわけないだろう? 君のスタジオは中心街にあって、高級オーダーメイド専門の……」

誠人の隣にいる女性が目に入った。いかにもSNSインフルエンサーといった風貌の彼女は、目を輝かせてさっと脇へ退くと、猛烈な勢いでスマホを操作し始めた。

「皆様」オークショニア...

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