第100章

「千堂社長、ご安心ください。契約書はもう人に準備させてあります。社長が直々にお越しいただければ、この提携は成立します」

千堂正幸の目に一筋の光がよぎった。三束は国内で長年その地位を確立しており、内装チームの半数以上がそこから資材を仕入れる必要がある。もし低価格で三束と契約できれば、彼にとっては確かに大きな利益となる。

「わかりました、森野社長。では三十分後にはそちらへ」

千堂正幸は笑みを浮かべながら電話を切り、アシスタントに準備を指示すると、自身も傍らの上着を手に取り、立ち上がってエレベーターへと向かった。

会社のビルの一階まで下り、アシスタントがちょうど彼の目の前に車をつけたところ...

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