第111章

岩崎奈緒は吐き気を催した。

そのまま階下へ降りると、鈴木蘭がまだソファに座っているのが見えた。顔色はあまり良くない。

鈴木蘭は手入れが行き届いており、かつて岩崎雄大に見初められただけあって、なかなかの美貌の持ち主だ。でなければ、岩崎直樹という連れ子がいながら、事業がすでに安定していた岩崎雄大に嫁げるはずもなかっただろう。

今、彼女の瞳は潤み、全身から熟した女の色香が漂っている。

岩崎奈緒は思わず眉をひそめた。

なぜ今日は病院へ行かないのかと鈴木蘭に尋ねようかと思ったが、岩崎雄大は昔から鈴木蘭を可愛がっていた。たとえ彼女が本当に家で休みたがったとしても、何も言わないだろう。

だから...

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