第119章

だが、林田南のそばに突然チンピラ風の男たちが数人現れ、彼の肩を乱暴に押した。

そのまま林田南は、ほど近い路地裏へと連れて行かれた。

岩崎奈緒は数歩進んだが、痛みで道端の木に手をついて息を切らした。

林田南があのチンピラたちと揉め事を起こすのではないかと心配になり、歯を食いしばって後を追う。

暗い路地裏から、殴る蹴るの音と、罵声が聞こえてきた。

「金はいつ返すんだ?!返さねぇなら今日ここでぶっ殺してやる!」

「この野郎、探し回らせやがって。よくもまあ雲隠れできたもんだな」

岩崎奈緒が路地の入り口にたどり着いた途端、そんな声が耳に入った。

彼女はまず警察に通報し、それから林田南が...

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