第130章

岩崎奈緒はほっと息をつき、ひどい疲労感に襲われた。

しかし、さすがにここで夜が明けるまで過ごしたいとは思えず、静かに床の破片を片付け、何も残っていないことを確認すると、部屋のゴミをまとめ、保温ポットを持っていくことさえ忘れて、そのままドアを開けて部屋を出た。

ところが、階下でなんと道村礼子と鉢合わせしてしまった。

道村礼子は千堂正幸にさんざん弄ばれたらしく、足を引きずって歩いている。

そして岩崎奈緒も、足首の怪我のせいで、同じように歩き方がどこか不自然だった。

道村礼子は彼女を見ると、冷笑を浮かべた。二人の姿はかくも似通い、しかもこんな真夜中にホテルから出てくるのだ。何をしていたの...

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