第137章

「おじいさん、彼とは上手くやっていますから、心配しないでください」

彼女は柔らかな口調で、彼にお茶を一杯差し出した。

「それよりも、ご自分のお体のことをもっと気にしてください」

藤原おじいさんの頬はたちまち紅潮して生き生きとし、口元の笑みをほとんど抑えきれない様子だった。

光司の奴は気が利かないと思っていたが、なかなか見る目があるじゃないか。道理で頑張っていると言うわけだ、とっくに手に入れていたとはな。

若夫婦がこれほど仲睦まじいのなら、今回わざわざ探りに来た意味もない。彼は楽しそうにお茶を一口すすった。

「奈緒、もし他に命知らずがお前を怒らせるようなことがあったら、遠慮すること...

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