第153章

彼はほとんど理性的かつ非情とも言える自己慰撫を終えると、すぐに視線を逸らした。

一方、病院に入った岩崎奈緒は、ついに耐えきれなくなり、傍らの壁に寄りかかって喘いだ。

体内の薬がまだ猛威を振るい、頬は平手打ちを食らって火を噴くように痛む。

痛みと熱さが同時に襲い、ただただ目眩がした。

幸いにも、通りかかった看護師が彼女を病室まで支えてくれた。

岩崎奈緒は今夜の一幕を思い返し、吐き気だけが込み上げてくる。

そして、実際に吐いてしまった。真っ青な顔で医師の指示に従い、点滴を受ける。

そんな時に限って、岩崎雄大からメッセージが届く。藤原光司を必ず連れて帰るように、と。

【奈緒、光司と...

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