第172章

「景の言う通りだ!ペニーは本当に才能があるわ。インテリアデザインもすごいのに、人物画までこんなに上手いなんて!」

林田景は最近、本気で身を固めるつもりでいた。道村雪との関係は良好で、二人の間では常に連絡を取り合っていた。

しかし、この写真を見た瞬間、彼は眉をぴくりと上げ、躊躇なく藤原光司に写真を転送した。

『兄さん?』

時刻はすでに夜の十時。藤原光司は岩崎家の門の前に着いていた。

岩崎家からお爺様の元へ電話があった以上、この会食は彼にとって避けられないものだった。しかし、いつ行くかは彼が決めることだ。

岩崎家の食卓には、色鮮やかで香り高い、食欲をそそる美食が並べられ、家中にその香...

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