第192章

「林田さん、これは説明できます」

しかし、林田雅はスマートフォンを取り出し、まずはお爺さんに電話をかけた。

「お父様、光司の奥さんの電話番号をいただけますか?今、彼女に用があるんです」

彼女は藤原光司のその所謂妻に会ったことはないが、あれほど絶賛するのだから、きっと物事の道理をわきまえた女性なのだろうと思っていた。

今、これほどあからさまに藤原光司に付きまとっている者がいる以上、その妻が表に出るべきだ。

その上、藤原光司本人も岩崎奈緒がオフィスで待つことを許しているあたり、彼女に対して放任的な態度であることの表れだ。

光司には一度釘を刺しておかねば。何しろ結婚している身なのだから...

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