第200章

松岡和人は無意識に視線を逸らした。このような人物を前にすると、どうにも頭が上がらない。

まるで相手が、手の届かない天の神であるかのようだ。

藤原光司はちらりと一瞥しただけで、それ以上関心を払うことなく、宝科の社長に案内されてロビーへと入っていった。

Z郡での施工に関しては、数百億もの投資が絡むため、宝科側もこの上なく重視していた。

現在、多くの企業が藤原グループに企画案を提出しているが、昨夜、藤原グループ側から突然、宝科が選ばれ、詳細を詰める話ができることになったのだ。

今日、藤原光司が自ら来訪したことで、宝科の社長は、これも藤原光司の御景テラスの家を宝科株式会社が施工しているから...

ログインして続きを読む