第220章

「岩崎奈緒、まさかあの男のベッドに潜り込んだからって、一目置いてもらえるとでも思ってるわけ?安っぽく自分から媚びてくる女なんて、男は拒まないものよ。どうせすぐに捨てられるわ」

岩崎奈緒はすでにアクセルを踏み込み、彼女に笑いかけた。

「捨てられるまでは、あなたはそばで指をくわえて見てるしかないってことね」

岩崎陽菜は胸を震わせ、もう少しで気絶しそうになるほど憤慨していた。

ちくしょう!

ちくしょう!!

岩崎奈緒はバックミラーで彼女を一瞥する。その表情は淡々としていた。

K市には一刻だっていたくない。やはり今すぐZ郡へ向かおう。早く玉檀香のフローリングの件を片付ければ、藤原光司に対...

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