第225章

「今になって私を訪ねてきたということは、事前にフローリングの予約をしていなかったのだろう。君のことは気に入っているし、天川光輝先生の顔に免じて、いくらか融通してやるべきなのだろうが、君も分かっているだろう。うちの商品は三年も前から予約が必要なんだ。急に融通しろと言われても、私も困る」

遠山良太の言葉は本心からのものだったようで、岩崎奈緒は微笑んだ。

「遠山社長、以前、お客様が見積もり日程を間違えたり、手元の注文に問題が生じてやむなく返品されたケースが何度かあったと伺いました。他の方の注文を譲ってほしいなどと贅沢は申しません。ですが、もしそういった返品をされるお客様がいらっしゃいましたら、...

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