第229章

岩崎奈緒も、今は少々気まずい思いをしていた。バスタオルの中には何も着ておらず、下も穿いていない。こんな姿を藤原光司に見られてしまい、全身が火で炙られているかのように熱かった。

藤原光司は手に塗り薬を持ち、シャツを一枚羽織っているだけだった。そのシャツのボタンはいくつか外され、鎖骨が覗いている。

その下には、包帯がうっすらと見えた。

これで岩崎奈緒にも察しがついた。おそらく、薬を塗ってもらいに来たのだろう。

二人の部屋は隣同士で、以前にも彼の手当てをしたことがあった。

それに井上進の部屋がどこに割り当てられたのかもわからない。藤原光司にしてみれば、わざわざ遠くまで行く必要はないのだ。...

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