第250章

とんでもないゴシップでも耳にしたかのように、萩原初は目を丸くし、それから心の中で嫌悪感を覚えた。

なるほど、あの女は尻軽だったわけね。まだ光司と離婚もしていないのに、もう次の相手を見つけているなんて。

それにしても見る目がない。森野昇の家柄も悪くはないけれど、藤原光司に、藤原家に敵うはずもないのに。

きっと森野昇の甘い言葉に騙されたのだろう。

彼女は心の中で冷笑しながらも、顔では驚いたふりをした。

「森野さんはもうあの方とお会いになったのですか?もしかして、お気に召したとか?」

森野昇は笑みを崩さず、意味深に言った。

「もちろん。喉から手が出るほど欲しいですね」

藤原光司の纏...

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