第251章

鈴木蘭は上の階に着くと、足の力が抜けていくのを感じた。

辛うじて傍らの壁に手をつき、なんとかその場に崩れ落ちるのを堪えた。

もうこの苦しみには耐えられない。彼女はすぐに岩崎直樹に電話をかけ、状況を伝えた。

電話の向こうで、岩崎直樹の声が怒りに震えていた。

「一体何てことをしてくれたんだ!?あの八重樫舜とかいう男、そばに置いてやるだけならまだしも、あんなやつの言うことを真に受けるなんて!」

鈴木蘭も今となっては少し後悔していた。「直樹、私にどうしろって言うの。岩崎雄大に私たちの情事を見られたのよ。もし彼を意識のあるままにしておいたら、私たち三人は追い出されていたわ」

岩崎直樹も焦っ...

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