第258章

岩崎奈緒はこめかみを揉みながら言った。「すぐに宝科へ行って、上層部とお話しします。このようなミスは二度と起こらないようにお願いします」

現場監督は慌てて胸を叩いて保証した。

しかし、岩崎奈緒は彼らと長話をする気もなく、直接宝科へと向かった。

宝科側はすでに現場監督から電話を受けており、社長も少々落ち着かない様子だった。

何しろ、岩崎奈緒は藤原光司が直々に指名したインテリアデザイナーだ。宝科はそれによってZ郡の開発施工まで受注できたのだ。もし岩崎奈緒の機嫌を損ねてしまえば、Z郡のプロジェクトも白紙にになるのではないか?

宝科の社長は焦りで額に汗を浮かべ、思わずそばにいた者に愚痴をこぼ...

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