第259章

松岡和人は電話を切ると、得意げな目つきで目の前の石川大知を見つめた。

しかし、石川大知はまだ半信半疑といった様子だった。

「どこかでペニーの役者を雇ってきたんじゃないだろうな?お前なんかが彼女と知り合いのはずがない」

松岡和人は胸を張って、今や自分が彼女の主人様なのだと言い放ちたかったが、いかんせんそれは偽りの関係だ。後でばれたら気まずいことこの上ない。そのため、自慢したい気持ちをぐっとこらえた。

石川大知の視線が松岡和人の上をうろつき、先ほどよりは随分と態度が軟化した。

「こうしよう、松岡和人。もしお前が本当にペニーを説得して、この件を大事にしないようにできるなら、給料を倍にして...

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