第261章

藤原光司は声に応じて振り返り、その視線は泥酔している石川大知に向けられた。

この顔には見覚えがあった。前回宝科へ行ったとき、この男が松岡和人を叱責していたのだ。

今、石川大知は友人に支えられながらも、なお松岡和人を罵り続けている。

「さっぱり分からん、うぇっ、あいつがペニーとどんなコネがあるのか知らんが、彼女の助……助けを得て、部長のポストを奪いやがった。あんな奴、いずれ天罰が下るさ。ヒック、宝科を辞めても、俺には他に選択肢がある。絶対に……絶対に奴を潰してやる!」

「あの二人……絶対に関係がある。汚い関係だ!」

松岡和人にポストを奪われた?

藤原光司は午前中に宝科で松岡和人とペ...

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