第273章

バッグは岩崎奈緒の体に向かって投げられたが、受け取らなかったため、地面に落ちた。

萩原彩花はさらに大げさに言った。「姉さんのこのバッグがいくらするか知ってるの?限定品で数千万もするのよ。あんたがバイトで稼げる額じゃないんだから!」

岩崎奈緒は二人に微笑みかけた。「萩原さん、私はデザイナーであって、使用人ではありません。それと、もし萩原さんが私と同行したくないのでしたら、会社でお待ちいただいても結構ですよ」

「あなた!」

萩原彩花は岩崎奈緒に何度も煮え湯を飲まされてきたが、今になってもまだ懲りていなかった。

萩原初は落ち着いた様子で地面のバッグを拾い上げ、ついでに萩原彩花のバッグを彼...

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