第69章

岩崎雄大の顔は青ざめたり赤らんだりと目まぐるしく変わり、唇は震えながら何かを言いかけては言葉を飲み込んでいた。

一方、鈴木蘭は怒りで歯を食いしばっていた。「岩崎奈緒、なるほどね。あなたはずっとうちの家族をそう思っていたのね!当時あなたさえいなければ、あなたのお父さんが私と陽菜を苦しめることもなかったわ。陽菜の病気もあの時から悪化していったのよ!あなたって本当に恩知らずね」

「お金を出して家を買ってあげる?それは私が同意するかどうかによるわ。あなたは知らないかもしれないけど、お父さんは株式の一部を私に譲渡したのよ。十パーセントよ。会社での発言権も私にはあるの」

岩崎奈緒はその言葉を聞き、...

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