第82章

林田東は熱中症の状態にあり、岩崎奈緒は病人と言い争うわけにはいかないので、うなずいた。「おじさん、わかりました」

林田東は少し笑うと、彼女に申し訳なく思った。

「今回君の叔母さんが作ったソーセージ、たくさん持って帰りなさい。それに漬物も作ったんだ。昔、学生の頃に好きだったろう?」

「はい」

岩崎奈緒はそれ以上何も言わず、車で彼を病院へ連れて行った。

その間に叔母の吉原素素から電話がかかってきて、二人がまだ帰ってこないことを尋ねられた。

「おじさんが熱中症になって、病院に連れてきたの。たぶん帰りは少し遅くなると思う」

吉原素素はすぐに心配し始めた。「どこの病院?すぐに行くわ」

...

ログインして続きを読む