第20章 ケーキは毒がある

小島麻央はもう少しで泣き出しそうだった。

今泉拓真がまさに一気に事を成そうとしたその時、突然部屋のドアがノックされた。

ドアの外の人物はかなり焦っているようで、しきりにドアを強く叩いている。「若様、いらっしゃいますか?」

小島麻央は、まるで天の助けを得たかのようだった。使用人の声だ!

今泉拓真はまさに一触即発というところで無理やり止められ、途端に顔つきが冷たくなった。不機嫌そうに言う。「何事だ!」

「若様、大変です!千田様と健太郎様が、お二人とも食中毒に!」

ベッドの上の二人は、共に呆然とした!

今泉拓真は身を起こしながら尋ねた。「病院には運んだのか?」

「すぐさま搬送いたし...

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