第60章 引き続き私を愛して

今泉拓真が淡く笑った。「日野遥斗からか?」

「小切手を返しただけならまだしも、どうして私のスマホに触って、彼の番号を着信拒否にしたの?」

「俺が着信拒否にしたからって、お前は怒るのか?」今泉拓真は眉をひそめた。「そんなに彼が大事なのか?」

「彼が大事なんじゃない。私のプライバシーが大事なの」小島麻央は真顔で言った。「拓真、私はあなたのスマホに触ったことなんて一度もないわ。人に自分のスマホを触られるのも好きじゃない」

「お前のプライバシーを覗いたりはしていない。ただ日野遥斗の番号を着信拒否にしただけだ」今泉拓真は彼女を見つめる。「お前には何度も言ったはずだ。彼と連絡を取るのは好ましくな...

ログインして続きを読む