第50章

翌日。

「神代雪璃、マネージャーが呼んでるよ。オフィスに来てってさ!」

寮のドアが開くと同時に、伝言を持った同僚が声をかけてきた。

神代雪璃は淡々と応じる。

「分かりました。ありがとうございます」

伝言を伝えた相手は、逃げるように去っていった。

「アンタのこと怖がってる人、結構多いわね」

泉凪纱がからかうように言った。

雪璃は振り返る。

「凪纱はどうして怖がらないの?」

「DV夫に殺されかけて、抵抗した拍子に相手を殺しちゃった奥さんがいたとするじゃない? アタシが怖いのはその奥さんじゃなくて、DV夫の方よ」

凪纱は服を着替え、ベッドから降りてきた。

雪璃は微かに笑う。...

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