第51章

「嵐兄さんったら、冗談がお好きですね。居場所が分かるのは、きっと心が通じ合っているからですよ」

月見優心はくすりと笑い声を漏らす。その精巧な顔立ちは、笑顔によって一層の愛らしさを帯びた。

霧生嵐は鼻を鳴らし、コーヒーカップを口に運んだ。

「足が不自由なもので、コーヒーを淹れていただけませんか?」月見優心は神代雪璃を見つめ、穏やかに言った。「誤解しないでね、家政婦扱いしているわけじゃないのよ」

神代雪璃が眉をひそめ、コーヒーポットに手を伸ばそうとしたその時――霧生嵐が先に手を伸ばし、ポットを奪い取った。

彼は月見優心を冷ややかに見やる。

「俺の従業員は雑用係じゃない。飲みたければ自...

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