第52章

月見優心は静かに頷き、声を潜めて言った。

「昨日の伯母さんの誕生パーティーで、神代雪璃が兄さんに付きまとっていた件……家族全員の知るところとなりました。両親はひどく心配していましてね。兄さんと虹野光さんの婚約パーティーで、また彼女が騒ぎを起こすんじゃないかと。それで、僕があなたのところへ相談に来たというわけです」

「俺に?」

霧生嵐の瞳が冷たく光り、胸の奥に得体の知れない苛立ちが湧き上がる。彼は無意識のうちにシャツの襟元を緩めた。

「ええ」

月見優心はその微かな苛立ちを見逃さなかった。右手を軽く握りしめ、すぐにまた開く。

「神代雪璃は星夜クラブの従業員であり、あなたはそのオーナー...

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