第56章

前の車が何度かエンストしてようやく動き出し、後続車のクラクションが鳴り止まない。

霧生嵐は前の車に合わせて、のろのろと車を進めた。

「さすがは兄妹だ。どいつもこいつも俺のことに干渉したがる」

「それで、嵐兄さんは同意するの?」

月見優心が追い討ちをかけるように尋ねる。

前の車が角を曲がると、霧生嵐はアクセルを踏み込んだ。

彼は鼻で笑った。

「一つ誤解しているようだが、俺が神代雪璃をどう扱おうと、お前には関係ない。だから、お前が彼女を許そうが許すまいが、俺の決定には何の影響もないということだ」

「嵐兄さんは神代雪璃と仲が悪いと思っていたから、すぐに承諾するかと思ってたわ」

月...

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