第110話

ダラス視点

ホテルに泊まった経験はこれまで一度もなかったが、その魅力は理解できる。

王家がもたらすビジネスを失うリスクを冒したいホテル経営者などいない。だから、王族が滞在している事実を決して口外したりはしないのだ。

早めの朝食を終えると、全員が荷物と共にSUVに乗り込み、我々の車列はナイトウィンド・パックへと向けて出発した。解決すべき三つ目の問題。これもグレイリッジ・パックの件と同じくらい、迅速に片付けられるはずだ。

目的地まで三十分の地点でもう一部隊と合流する予定になっている。彼らは我々が指導部に変革を強いた後、平和維持のために残ることになる。

「ヴォーン叔父上が退くまで、どれくらい待つと...

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