第119話

王宮にて

長老ヴェネツィアは手に持った携帯電話を見つめ、口元に笑みを浮かべていた。

「ケイトリン、あなたが王族居住区にいる口実を考えないと。ラリッサのことは、まだ誰にも知られるわけにはいかないわ」ヴェネツィアは妹に告げる。

数時間後、ヴェネツィアとケイトリンは荷物をすべてまとめ、王族居住区へと向かった。新たな侍従たちのほとんどはまだ到着しておらず、ほんの数名しか来ていないため、一石二鳥を狙うことにしたのだ。

「こんにちは、私が長老ヴェネツィアです。こちらはケイトリン、侍従長です。質問はすべて彼女が答えますし、必要であれば、彼女から私に連絡が来ます」ヴェネツィアはそう言った。彼女は侍従たちに、...