第120話

ダラス視点

我々のSUVが先頭車両だ。アルファ・クリスが彼のパックに対し、王家が予告なしに境界に到着した際、彼らの邪魔をせず法に従うよう指示しているかどうか、確かめておきたい。

「他にウォリアーの姿は見えるか?」と私は尋ねる。ゲートにいるウォリアーは一人きりのように見えるからだ。

複数の否定的な返答を受け、ゲートに近づきながら窓を降ろす。彼は我々のSUVのマーキングと私とを見比べ、またマーキングに目を戻し、困惑した表情を浮かべている。

「長老が君のパックに、王家が進めている変更について知らせた際、君もその場にいたと解釈していいかな?」と尋ねると、今度は呆気に取られたような顔になった。...

ログインして続きを読む