第129話

ダラス視点

「昼食休憩にする。皆、食堂へ向かっていい」ヴォーン叔父さんがそう言って、国王の私室に入っていく。

「叔父さん、自分が命令を破ったわけじゃないってわかってるのかしら?」ラリッサが思念話で尋ねてくる。ダクストンが私たちの後ろで扉を閉めると、ヴォーン叔父さんの忍び笑いが聞こえた。

叔父さんがその事実を重々承知しているのは間違いない。でも、きっと誰にもラリッサの悪口を言わせずに、穏やかな昼食をとりたいのだろう。

「殺人裁判のリスクは冒したくないんだ、ラリッサ」と叔父さんは言う。「誰かがお前の悪口を言って、それをクインランが聞いたら、命を落とす者が出るだろう。それに、連中が思念話でお前を排...

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