第13話

ダラス視点

「アルファ・レオンがスピーチを始めます。ジョシュアとジェスパーがお待ちです」。長老ジェンセンがマインドリンクで告げ、私はファイルを手にSUVを降りた。

私の左にジョシュアが、右にジェスパーがつく。私はコートのフードを深く被った。顔は影に覆われ、誰にも私だと気づかれにくくなる。それこそが私の望むことだ。少なくとも、あのステージの前に立ち、彼らに中止命令を突きつけるまでは。

ステージに向かって歩いていると、チャーナが前に出たがっている。一人の男が私をじっと見つめ、隣の男に手を伸ばしているのが見えた。

『繋がりがある』とチャーナが言う。私は二人目の男に視線を滑らせる。くそ、双子か。チャ...

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