第135話

ダラス視点

クインランと俺は、リビングルームでの会話に耳を澄ませていた。ラリッサのシャドウの一人が、状況を把握できるように俺たちを繋いでくれたのだ。俺たちはゆっくりとリビングルームへと向かった。

ラリッサの身の安全については心配していない。彼女のそばにはシャドウたちが控えているし、アルファの娘として、大抵の状況は自力で対処できる。聞こえてくる限り、現に彼女はそうしているようだ。もっとも、今の時点ではその様子を見ることはできないが。

クインランが階下へと続く最後の階段の踊り場で立ち止まり、腰を下ろしてリビングルームの方を見据える。そこから部屋の様子はよく見えた。レジーナがラリッサに詰め寄ったと...

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