第137話

クインラン視点

この一時間、ブローガンがしつこくてたまらない。何を言っても、俺を寝かせてくれる気はないようだ。

俺はまだ半ば眠っているが、ラリッサが落ち着かずに寝返りを打っているのはわかった。彼女をなだめるように引き寄せ、それでブローガンもまた落ち着いてくれればと願う。だが、それも一瞬のこと。奇妙な匂いに気づいた。

ある考えが頭に浮かび、なぜブローガンが眠りたがらないのか即座に理解した。

ラリッサが俺たちの子を身ごもっている。そして、もうすぐ初めてのつわりに襲われるだろう。俺はベッドから出てバスルームへのドアを開ける。だがベッドに戻る前に、ラリッサが勢いよく身を起こした。

「こっちだ。バスル...

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