第138話

ダラス視点

今度はさっきより少し大きく唸り声をあげる。もう人間の着せ替え人形にされるのはうんざりだ。

「エリザ叔母様、これって本当に必要なことなの?」

鏡を覗き込むと、ティアナが笑いを堪えているのが見えたので、叔母様に尋ねた。

「答えはもう分かっているでしょう、ダラス。あなたは儀礼に従わなければならない。つまり、ドレスを着るということよ」とエリザ叔母様は答える。

叔母様の言うことが正しいのは分かってる。でも、一日中ドレスなんて最悪だ。この五年で自分なりのスタイルを確立して、ドレスを着るのは他に選択肢がない時だけ。それだって、さんざん口論した末に、だ。

「マミー、マミー、見て」

部屋に入ってき...

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