第27話

ダクストン視点

「その話はダイアラ姫の要望で公にはなっていない。彼女は家族を引き裂きたくなかったし、故郷に帰ることも拒んだんだ。ついに国王がここへやって来て、アルファがネックレスの真実を話した。それで国王は、息子を次期国王に指名することを見直さざるを得なくなった」

「だが、国王には一つ計算外のことがあった。ダイアラ姫は、二人の狡猾な兄たちとは一切関わりたくないと言い、父にこの件は過去のこととして葬ってほしいと頼んだんだ」と俺はダラスに語る。

あのネックレスがどうなったかを知る者はいない。罪のない女性の人生を台無しにしたあの忌々しい代物が、誰かの手で破壊されていればいいのだが。

「彼女は宮殿に...

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