第35話

ダラス視点

ダクストンの「やめろ」という叫び声は、もう二度と聞きたくない音だった。たった一言に込められたあまりの痛みと絶望に、私の心は張り裂けそうになる。

彼は私を見るなり、その腕の中に私を抱きしめる。彼に抱かれていると、私自身とチャーナが落ち着いていくのがわかった。ダリウスが私たちの隣に横たわり、片手を私の腰のあたりに回し、もう片方の手はダクストンの頭に置いている。

しばらくそうしていたが、ドアをノックする音が私たちの穏やかな時間を破った。ダリウスが誰かを見に立ち上がる。

「ジョシュアが使いから戻りました。それと、階下にとんでもなくご立腹のアルファが一名」ジェスパーの声が聞こえ、私たちはす...

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