第45話

ヴォーン王は、審理の途中から、どうにも拭えない違和感が頭の片隅にこびりついていた。だが、その正体が何なのか、皆目見当がつかない。

「父上、何かありましたか?」クインランが、父が何かをまとめようとしているのを察して尋ねる。

「よく分からんのだ。まだ掴みきれていない、何かがある。この件について話し合った後か、あるいはぐっすり眠った後なら、私の心が何を伝えようとしているのか理解できるかもしれん」ヴォーン王は息子に答えた。

ヴォーン王が会議室のテーブルの上座に着くと、長老たちは皆、素早く席に着いた。なにしろ、今回の審理は前代未聞のものであり、王がどうお考えなのか、誰もが知りたがっていたからだ。

「長老...

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