第57話

ダラス視点

ジェンセン長老が、彼とヴェネツィア長老がこれまでに突き止めた事柄について説明してくれる。その話を聞けば聞くほど、王家にさえ秘密があるのだという事実を思い知らされた。

数世紀前、長老会が設立されたのは、王家が道を踏み外さぬよう監視し、法を超越した存在とならないようにするためだった。どうやら長老会の内部で、一度大掃除をする必要がありそうだ。一部の者は己の権力に、あるいは、持っていると勘違いしている権力に、あまりに慣れ親しんでしまったらしい。

だからといって、全ての長老が自分の利益のために規則を曲げたり、王家やこの王国のシフター全員にとって重要な情報を隠したりしている、と言っているわけ...

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