第68話

ファイネイアン王国

王宮の地下に広がる牢獄の、その奥深く。デズラは独房の壁をじっと見つめていた。

この苦境は、誰のせいでもなく自業自得だと彼女は分かっていた。たとえ誰か他の者に責任をなすりつけたいと願ったとしても、だ。

ベータの地位を辞退することもできたはずだ。だが、それが王家の一員にとってどれほどのステータスを意味するか、彼女は知っていた。その地位がなければ、他の従兄弟や兄弟姉妹のように働かなければならなくなる。デズラはベータの地位を楽な仕事だと常に考えていたが、それは間違いだった。

シャドウ・バレー・パックで過ごした時間は、自分が何をしたいのかを見極めるのに十分だった。

デズラは王家の「...

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