第69話

キング・ヴォーン視点

ダイアラの日記のことが頭から離れない。彼女の人生は、最初から最後まで地獄そのものだった。もし可能なら、彼女を苦しめた者たち全員にその責任を取らせてやりたい。

「おはようございます、ヴォーン叔父様」

食堂に入ってきたダラスが挨拶する。すぐ後ろには彼女のメイトたちが続いている。

「良い朝と呼べるかどうかはな、ダラス」俺は呟く。

良い朝などではない。昨夜はあの忌々しい日記を読んだ後、何度も寝返りを打ってばかりで、ろくに眠れなかったからだ。普段は他人への怒りや失望をうまく抑えることができるイライザでさえ、昨夜からずっと機嫌が悪い。

「彼女の日記、読んだのですね?」ダラス...

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