第73話

ダラス視点

どうして人は他人を見下せると思い込めるのだろう？

子供時代に私に起きたことは、何一つ望んだことではなかった。でも、その腹いせを他人にぶつけたりはしなかった。父親がクソ野郎だったからといって、誰かが私に何かを負っているなんて思いもしなかった。

誰にだって最悪な日はあるし、普段の自分らしくないことを言ったりしたりもする。でも、地位や仕事を理由に誰かを見下すなんて馬鹿げている。どんな理由であれ、世界が自分に借りがあるかのように振る舞うなんて、その次くらいに愚かだ。

「あの会議、私たちも同席できるかな？」私はクインランに囁く。ジェフ長老がどんな言い訳をするのかぜひとも聞きたいし、できれば...