第75話

ダラス視点

優しい声で私の名前を呼ぶ声で目が覚める。昨夜からのビデオ通話をつないだままだったダリウスの声だと気づくのに、数秒かかった。

「少しは眠れた?」携帯を見つけると、ダクストンの胸に頭を預けたまま画面の彼に尋ねる。

「ああ、眠れたよ。思っていたよりずっとよくね。バックグラウンドでお前の声が聞こえていたからだと思うが、確かじゃない。いや、確かめるつもりも二度とない」彼は私の問いに答えた。

彼が私から離れるのが嫌で、二度とそんなことはさせないつもりだという意味だと気づき、私は微笑む。ダクストンを起こさないように、私たちは小声で話す。彼らが私に与えてくれるこの感覚が大好きだ。彼らと二...

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